What’s your dream?

今年に入って初めてのハイキング。

山梨側から富士山を眺める。大菩薩の湖が良いアクセントに。

 

今回初対面のベトナム人カップルと一緒。二人ともまだ20代前半。

日本語講師のボランティアもそうだったけど、若い世代と行動を共に出来る機会って良いなぁとつくづく思う。

今の若者ってボクの若い頃と比べても総じて逞しいし、そういう彼等彼女等との会話が客観的に今の自分が何者かを振り返る良い動機になることも。

 

「麻太郎さんの夢は何ですか?」

登りで少し呼吸が乱れる中、不意に彼に聞かれて動揺する。

「それは興味深い質問だね。先ずは〇〇に聞いてあげてよ。いくらでも語り出すよ(笑)。」

間髪入れずに前を歩く山仲間のドイツ人に話を振る程度の老獪さは持ち合わせている。そういう年齢になったということだ。

 

(言われてみれば、久しく夢なんて考えたことなかったなぁ・・)

 

だれでも小学校の頃に「将来の夢」を作文で書かされただろう。

まだ経験も知識も足りていないから現実的な自己能力の限界とか考えることもないし、 人生の先が長いから歳を理由に夢を制限する必要もない。

またそもそも 好奇心も旺盛な年頃だからね。

 

でも自分の小学生の時の夢は何だっただろう。

多分作文ではその時代では定番の「野球選手」と書いたと思うが、勿論本気ではなかった。

打つ方は兎も角、守備が全くダメ。特に肩が弱かった。中学・高校は野球の名門校に進学したけど、はなから野球部などには入らなかった。

 

当時の夢・・・本当は「ロビンソンクルーソー」になりたかったのだ。

嵐の航海の末に一人無人島に辿り着き、絶望の中それでもひとつひとつ生活基盤を整えていく。水場に近い洞窟を探して居を構え、自給自足を目指す。

但し妄想の中でも生活力は弱かったので(苦笑)、自力で準備出来そうもないものは都合良く座礁した難破船からちゃっかりと調達していた。

ランプの灯をともす油が必要。そこでアザラシ狩りの為に何か工夫をして武器なり仕掛けなり作ることを考えるのだが、アイデアが浮かばないと結局難破船から「幸運にも」充分な数のライフルと銃弾を手に入れることになるのだ。

 

流石に高校生くらいになるとその様な妄想は無くなるのだが、それから先は夢を描く習慣は無かったと思う。

今では家内安全とか息子の成長とかを願うことはあってもそれは決して夢なんかじゃないし、「あーお金と体力があったらあれもこれもしたいのに」というものも思いつかない。

強いて言えば、奥さんと一緒にまた世界中を歩いてみたいという夢はあった。もう人生の時間に制約が無いのだから健康でさえあれば何年でも旅を続けることが出来るのだ。

なのにこんな「現実的な夢」ですら、子犬の預け場所が無いという理由で積極的に動こうとはしないのだ。

そう、いつも犬と一緒という、このありふれた日常で十分に満足してしまっている自分がいる。

だから別に夢など無くてもそんなに悪くはない人生だと思いたい。

いつもの通り自己満足を最優先にして生きていく。後は若い頃の様にもう少し好奇心を持って自己満足のレベルを上げていくことを心掛けていければ・・・

 

ハイキング後に公共の温泉に入ってから ”お疲れさん会” を。

若者と一緒だと普段は絶対に口にしない激辛鍋などもトライしてみる。なんだ、思いのほか美味しいじゃないか!

日本で大学を卒業後、彼は楽天に、彼女はジャガーに勤めている。

「社員割引とかあるの?」

相変わらずつまらん質問をする。

「えー、ありますよ。」

 

若者たちにお酒を振舞う。

今のところジャガーの購入予定はないけど、楽天で欲しい物はいくつかある。

夢とは無縁ないつもの楽しい一日を終えて満足して帰宅。程良い疲れを感じて眠りにつく。

明日以降もこういう日々が過ごせればそれで良い。

 

それではShanti Shanti! 素晴らしい1日を!

 

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