Tenho Tudo

最後の授業を終えてカピバラに会いに行く@市民公園。

巨大なネズミにしか見えないが、息子は(何故か)大喜びだ。

昼間に彼等に会えるのはラッキーなのだそうだ。

全部持っている

初日の授業での自己紹介を思い出す。

「買い物は好きじゃないんだ。」

「どうして?」とレベッカ先生は驚いて聞き返す。

ブラジル人は買い物大好き。

欲しい物はみんなリボ払いで買うのが当たり前なのだそうだ。

リボ払いが如何にダメダメかとか、もうこの歳で物欲など無いとか、買い物の行為そのものが面倒くさいとか、そんな諸々の説明は出来ない。

単純にボクのポルトガル語の語彙量が少なすぎるのだ(苦笑)。

だから一言。

 

「Tenho Tudo」 全部持ってる。

 

そうなのだ。シンプルにその通りなのである。

ボクなりにもう十分に持っている。

 

買い物嫌いのボクだから、当然日本へのお土産の購入もとても億劫だ。

帰国の日が近づいてくると、奥さんからお買い物リストがスマホに届く。

ブラジルローカルコスメの数々、アサイーのパウダー、コーヒーのお菓子、アンチエイジングのナッツ 、マテ茶etcetc・・

バラマキ用として、プロポリス(健康蜂蜜)のスプレーを40個買った。

面倒くさいのでドラッグストアで在庫を全て買ったのだ。

ブラジルのプロポリスの品質は世界一、かつとても安価(300-500円)なので、多くの人に大変喜ばれた。

買い物の苦行が少し報われる感じだ。

五番街

 

ニューヨークに到着すると奥さんから写真付きで新たなリクエストが来る。

「もし日本より30万円くらい安いのならこのネックレス買ってきて」

・・いやいや・・

「旅行中の支払いはほとんどカードだったから、もうそんな枠が無いよ。」

すると奥さんは、息子に持たせたカードの利用枠を増額変更したと連絡してきた。

良かった。

「少なくともボクがお支払いする必要はないのね。」

 

指示された店に出向く。

ガードマンに値踏みされて、店内に通される。

息子のジャージを着替えさせて来てセーフ(笑)。

店内には中東のお客しかいない。

対応してくれた(多分)50代のイケてる金髪女性と緩い雑談を交えながら単刀直入に聞く。

「もし日本より安いようなら買いたいんですけど。今の為替だとちょっと厳しいですかね?」

結局日本より10万円ほど高いことが分かり、頂いたお土産用チョコレートを手にお礼を言って店を出た。

これだけでも奥さんは喜ぶだろう(笑)。

 

それにしても・・

奥さんは60歳で丸の内の会社を退職してからは、もうブランド物には興味を失い、もっぱらユニクロ(しかもセールの時に限り)を購入していたのに、こういう買い物には躊躇が無いのね。

お金の使い道

思い出作り

ヤンキーススタジアム。まだ息子と一緒に楽しむものがある幸せ。

 

奥さんが欲しかったネックレスと、ボク達二人の一か月余りの旅行総費用がほぼ同額だ。

このコントラストには眩暈がする。

一方奥さんから見れは、両方とも同じくらい価値あるお金の使い方なのだろう。

であれば奥さんの方がより楽しい人生となるのだろうか?

新たな学び

ブラジル出発前の数か月間、ポルトガル語のオンラインレッスンを毎週3時間ほど受けていた。
結構大きな出費だった。

ブラジルで息子に ”おんぶに抱っこ状態“ は避けたかったのだ。

それが日本帰国後も緩くレッスンは続けている。

やはり定年後は何か ①継続的に ②自己肯定感のある ③軽度のプレッシャーを楽しむ作業というのは、結構良いお金の使い方だと思う。

楽器のスクールと一緒だ。

 

最近息子に声掛けしている。

「今度の大学春休みには一緒にリオに行くか?」

「絶対嫌だ(怒)」

笑笑

嫌な事をしない

数年前から年末大掃除を業者に任せている。

キッチン・換気扇・洗面所・浴室・トイレ、そしてフローリング。

今年は年末のピーク料金を避けて最安値の9月に来て貰った。

これからは毎年9月にお願いするつもりだ。

 

植木屋さんも年1回から2回に増やした。

昨今の異常気象で植栽の成長が半端ないのだ。

 

今まではこういう作業は極力自分でやることを基本にしていた。

例えば作業の対価が5万円として、もしこの分を稼ごうとすれば税金分含め7万分とかを働かなければならない。

定年後の重税感を極小化したい・・

 

でも今はもう割り切っている。

仕事を辞めた後は本当に好きな事を見つけるより、嫌だと分かっている事を避ける方が難易度は低いし、QOLも確実に上がるのだ。

 

ということでボクの場合は、「物欲は無くても形の無いものに躊躇なく出費出来る気持ちとお金の余裕が必要」 というお話でした。

 

お金を使わなくても出来る思い出作りも勿論ある。

 

それではShanti Shanti! 素晴らしい1日を!

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