東大医科研。日中は広大なキャンパスを市民に開放している。特に紅葉は綺麗。
こじゃれた店が並ぶメインロード。当時我が家のランチ利用率は月一くらい。日常使いにはコスパがちょっと(苦笑)
江戸時代以前よりずーっと都心に残されてる森。四季の移ろいとバードウオッチングが楽しめる。当時より「老後は毎日でも来たいなぁ」と思っていました。65歳以上は入園無料故(笑)。
3~40代の頃
先日外出の際に、以前住んでいた街に寄り道してみました。結婚してから海外駐在を挟んで12年間住んだ場所です。
今の住まいも住宅街ですが、ここは”高級”住宅街(笑)。
ボクとしては歩き通勤出来る地域としての単なる選択肢のひとつでしたが、奥さんは息子を入れたい区立小学校の学区としてここを強く希望。
今考えるとトータルではとてつもない額の家賃を払っていた訳ですが、幸いにして二人とも正社員の共稼ぎだったこと、またそれぞれ仕事が好きで頑張れたこと、そして冒頭の呟きで分かる通り(笑) 二人ともお金に対する共通の価値観を持っていたことより、家計が破綻することもありませんでした。
他人と優劣を比較するような所謂 ”地位財” としての住まいでもなく、当時は車も国産車のエントリークラスでしたし、住んでいる場所に合わせて生活レベルを不必要に上げることもなかったです。
夫婦二人して仕事上人間関係の深刻なトラブルも無く、経済的にもそこそこ安定した環境を長らく維持出来たというのは非常に幸運だったなぁと、この緑豊かな街を歩いてみて今更ながらに思います。
まぁ生まれ変わったらまた同じルートを歩みたいかと言えば、それはNO。もう1回こんなに働きたいなんて思わないし、前にも書いたけど何なら(セミ)FIRE生活にとても憧れたりもします。
FIRE民は市民権を得るのか?
いや、今週NHKでFIRE特番をやっていてとても驚きました。30分の尺でどの様にFIREを位置付けるのか興味を持って視聴しました。
まず最初にFIREの定義については結構具体的に4%ルールまで踏み込んで説明。またNHKらしく「不動産にせよ株にせよ元本割れリスクはありますよ」との注意勧告もやんわりと。
そこから3人のFIRE達成者の紹介がある訳ですが、設定が少し微妙。。
FIRE成功者Nさん(49歳)
最初に紹介されたNさんは健康的に日焼けしたスノーボーダー。天気さえ良ければいつも大好きなスノーボードを、あとは奥さんと温泉に行ったりして家族円満でFIRE達成して6年間、今も幸せらしい。
本人曰く「働くことはもの凄く好き。でも当時の仕事だと先行きの賃金上昇が見込めずに将来とても望む様な生活は叶わないと悟り、独学で不動産投資を始め、恐怖を感じながらも相応の銀行借り入れを行い、地道に不動産を増やしていって16年目でFIRE達成した」そうです。
今は収入は1億円/年、借入返済や諸経費を引いた手残り80万円/月で悠々自適の趣味三昧です。
うーん、、これ成功例として真面目なNHK視聴者に紹介しちゃって良いのかなぁ・・
成功者に対して余計なお世話だけど、働くのが好きなら軽い労働をしてもうひとつ安定収入源を確保したらいいのでは。
Nさんには才覚もツキもあったと思いますが、誰にでも再現性のある手法ではないような(苦笑)
不幸なFIRE達成者Fさん (51歳)
上司からのパワハラを逃れ、5年前にFIREを達成したFさん。不動産と株で現在90万円/月の安定収入があります。
ボクは不動産をやらないので、この90万円/月の安定収入の再現性ってのは良く分かりません。
でもボクがコアで運用している米国インデックスファンドでも、かなり楽観的に見て年率リターン5%(税抜き)としても2億円のタネ銭が必要。
上司の虐めで45歳で会社を辞めることとなったFさんが2億円を作るだけの投資の才覚を持っていたのは良かったですね。NHK視聴者の皆さんにはやはり参考にはならないと思いますが・・
Fさんは経済的にはFIREの成功者ですが、実際は毎日家でずーっとテレビを見ているか読書をしているかで、奥さんから疎まれていて肩身が狭いらしいです。FIREして「こんなはずじゃなかった」という残念な気持ちを持たれているそう。
でも、月収90万円ってもう1千万円プレーヤーですよ。奥さんに何の負い目も持たずに好きなことをこれから見つければ良いじゃないですか!お金と時間はあるんだから・・
視聴者から見たら単なる惚気にしか見えませんよ(笑)。
FIRE卒業のAさん(36歳)
給料をもらうだけの目的で働くことに大きな意味を見出せなかったAさんは、17年間株を続けて2年前にFIRE.
ゲームとか旅行とか好きなことをやっていたけど、今のままでは自分が成長出来ないことに焦りを感じたと。
そして再就職活動を始めることになります。
オンライン面接で「お給料はいくらでも良いので社会に貢献したいのです!」と訴えるAさん。(これはNHKお得意のやらせですね。本気のAさんなら面接時にカメラなんか回させる訳がない笑笑)
でも、Aさんのストーリーは、ある意味真実なのかもしれないと感じました。
30代ってまだまだ多くの経験を重ねて吸収していける年代。短くもない余生を今の生活レベルで固定してしまうのはいかにも勿体ないですね。若くして無職だとなかなか結婚の御縁もないでしょうし。
一度はFIREの目的を達成して2年間の自由を謳歌したAさんが再度サラリーマンに挑戦するのは凄いエネルギーが必要だったと思います。頑張ってください!
番組を見終わって
ボクの所感は「素材は紹介したから後は視聴者の皆さんで良く考えてみてください」・・ですかね。
若しくは「安定した不労所得が期待出来ても、人間は働いていないと生きがいを感じることは難しいですよ」と庶民を啓蒙したいのでしょうか。
ボクとしてはFIREを自分事として考えた時に心したいことは次の三つ。
- 誰に迷惑を掛ける訳でもない。したければすれば良い。
- もし会社がいやでいやで辞めたいなら、せめて最後に社内で(常識と会社の規律内で)自分が好きなように振舞ってみたら?意外と会社は社員を辞めさせるのは難しいですよ。結果、会社から辞めさせられたとしてもそれは会社都合。後々の自己肯定感を保てるかもしれません。どうせ辞めるつもりだったんだからダメージは少ないですよね。
- 特に30歳代以下なら、経済的基盤がホントに盤石と思えるまではFIREに踏み切らない方が良いかも。今までの倹約生活をベースにまだ残り長い人生に制約を掛けるのは如何にも勿体ないと思います。軽い労働でも良いので、投資収益以外に安定的な収入と得ると行動とやる気に選択肢が増えてより豊かな人生を過ごせると思います。
60歳まで働き過ぎてちょっと後悔している男の独り言・・・
それではShanti Shanti! 素晴らしい1日を!