旅の最中に今後の旅の計画をたてることが多い。
JALがプロモーションを出していたので、奥さんに一人旅の許可を得てフライトを押さえた。
マイルを使ってタダ券で行くか航空券を買うか、深夜の森のコテージでコーヒーを飲みながら時間をかけて検討。
結局プロモーション価格にのった方がお得というボクなりの結論に至った。

旅先でのこういう時間の使い方が好きだ。
えっ?
「お前は最近またよく旅行に出かけてるな。お母さんの世話はどうした?」
お金で解決出来ること
母の希望だった自宅一人暮らしを姉とサポートして昨年の秋から冬そして今年の春と季節は移った。
そして息子とブラジルに行く夏。
猛暑の中姉一人に母の世話を任せるのは現実的ではなかったので、母を説得して旅行の間(と言うか日本が暑い間)介護施設に滞在して貰うことにしたのだ。
短期で要介護5の母を預かってくれる施設は限られていた。
どこも高級施設ばかりだったが、自宅から車で10分の場所でサイレントプロモーションをしている施設に巡り合った。
電話を掛けて相談してみたら、たまたま「お試し期間最長6か月間特別価格プラン」を伺ったのだ。
ボクたちにとって願ったり叶ったりの条件だった。
昨年冬は水分を摂るのがやっとだった母は、区からの献身的な介護サービスのお陰もあり、寝たきりながら流動食を口から摂ることが出来るようになっていた。
でもこの施設に来てから5か月間で食堂まで車椅子で移動して三度の食事を摂れるまでになったのだ。

母の好きな緑も至る所にある。
だから車椅子移動のモチベーションも高い。

俳句、習字、フラワーアレンジメント、ドッグセラピー等、毎日のイベントにも少しずつ参加するようになった。
そしてついに「出来ればこれからもこの施設で過ごしたい」と言い出したのだ。
ボクは驚かなかった。
決め手は2点。
スタッフさんが誇りを持って仕事をしている。離職率がとても低い。そして利用者1.5人に対してスタッフ1名と、業界平均の2倍の手厚さだ。
もう一つは高栄養で美味しいと評判の食事。
缶詰め食材やレトルト食品は一切使わない。
誤嚥の恐れがある母には他の利用者さんと同じメニューの食事を全てすり潰して提供してくれる。
母も毎回の食事が楽しみな質とサービスだ。
そしてトライアル期間終了を前に本契約の運びとなった。
一括払い方式(月額利用料の最小化)と通常の月額利用料支払いが選択出来たが、一括払い方式とした。
母のお金なので運用などしていない。
今後のインフレを考慮すれば将来にわたる月々のコストはなるべく抑えたい。
それに何より母にはこれからも長く楽しい人生を送って欲しいのだ。
経済的な長生きリスクを心配しながら母を見守るのは本意ではない。
勿論、それでも将来母のお金が枯渇してしまう可能性はある。
その時はボクが喜んで支払う事になるだろう。
所詮、母にも国のサポートがあるから不足分だけの問題だ。
アメリカではこうはならない。
改めて日本の年金・介護保険システムの優秀さに感謝だ。
日本の政治に文句を言う人も多いが、既婚・独身に拘わらず誰にでも親はいるだろう。
そんなに悪い国ではないと思うけどどうなんだろうか?
母が一人暮らしの時期は食事の世話、夜の見守り、ごみ出し、買い出し等が生活の中心だった。
今、サービスが行き届いた施設内での親孝行と同時にボク自身も自由を取り戻すことが出来たのだ。
お金で自由を買う。
久々にお金の有難さを強く実感したものだ。
ボクの場合
いつまでもそれなりに健康で、老衰とともに静かに自宅で人生を終えるものだ・・・と漫然と考えていた。
奥さんとボクのどちらかが寝たきりになってもどちらかが世話をすることになるだろうと。。
でも母を見ればそんなのはお花畑の妄想だと分かる。
どちらかが必ず先に逝くし、残された方はいずれ動けなくなるのだ。
地域の支援を受ける事は可能だし、(もしかしたら)息子も何か助けてくれるかもしれないが、お金で解決出来るものなら是非前述レベルの介護施設でお世話になりたいものだと真剣に考え始めている。
今でも週2~3回母を訪ねているが、この施設はそのくらい良い。ボーロ同伴もOKなのだ (笑)。
勿論掛かるコスト負担も相当大きい。
多分持ち家に次いで一生で2番目に大きな支出となりそうだ。
でも人生100年時代でその1~2割の時間を過ごす場所と考えれば (ボク的には)価値のある支出だと思う。
新NISA の20~30年後の成果に期待するか、この家を売却するか・・まだ自分で判断と手続きが出来るうちに対応したいものだ。
何なら五体満足のうちからお世話になっても良いのだ。

よさこい祭りの踊りを最前列で観賞する母 (笑)。
こういうボランティアも自己肯定感の高い活動だ。
日本語講師の次は、施設回りのバンド活動でも考えてみるかなぁ。
それではShanti Shanti! 素晴らしい1日を!
