日帰りタイムトラベル

奥さんからSOSの電話がきた。珍しくあわてている。

お義母さんを乗せた車が、病院の駐車場でタイヤを縁石に乗り上げてパンクしたようだ。

登場人物と用事を考えたらハードルは上げられない。正規代理店に電話して緊急の受け入れをお願いした。

 

あータイヤ屋さんなんかに行かせないで良かったよ。写真を見たらアンダーガードが剥がれ落ちている。

どんだけ勢いよく乗り上げたんだろう・・まあ二人とも無事で何よりだった。

老人ホーム

よりによってこの日は今年初の真夏日@東京。

同じ大田区内なのに電車とバスを乗り継ぎ片道1時間超の移動だ。車なら30分弱なのに。

ボランティアだけど、大田区より交通費の名目で1回千円の謝礼が出る。実際の往復交通費が800円だから200円の報酬だ(笑)。

2時間の授業だけど予習準備が必要なので(勿論ボクの)、実質的な時給は100円以下だ(苦笑)。

あー先々月までやってた元会社のバイトの時給の100分の1以下だ。

でも自己満足をモチベーションにやっているのは二つとも同じだ。

こんなことを面白がってハイブリッドで出来る自分が誇らしいとこれまた自己満足。

 

今回は車が無いからこそ成立する小旅行を計画した。

ボーロの散歩用に近所に欲しい遊歩道。空港を正面に歩き進む。

 

丁度スカシユリが満開の季節

 

ここ羽田の特別養護老人ホームで働くフィリピンから来た20代の二人は、日・比間の経済協力協定の枠組みで日本で実習しながら介護国家資格を取得する目的で日本語の勉強をしている。

3年後の国家試験合格に向けて本人たちもホームの施設長も真剣だ。

ホームの予算で二人に大手日本語学校講師のオンライン講座を受講させているが、その復習をボクが任されている形だ。

このホームの利用者さんの平均年齢は80を超えており、3割ほどの方々はほぼ1日寝たきりで過ごされている。

30人ほどの利用者さんに対して食事の補助や歯磨き、おむつ交換や体ふきをするのが二人の主な仕事だ。

「利用者さんが笑うと私も笑います。そして私はとても幸せになります。」

ボクにはとても出来ないし、とても言えないセリフだ。

今はこのボラ活動に期限を設けていない。あと3年やれるとは思わないが、ボクも毎回真剣に取り組んでいる。

いい加減になどとても出来ない雰囲気なのだ。それでいい。

 

限界集落@東京~昭和でとり残された場所

最近あまり見かけないたばこ屋。国産たばこってブランド?

途中でバスを降りて二人が住む小さな街を散策。

授業で「あなたが住んでいる街」についての会話練習のネタとなる写真を撮るのが目的だ。

 

さらにそこから歩いて20分超の場所を訪れる。これは授業と関係ない。

東京にも限界集落があると聞いて興味を持ったのだ。

65歳以上の高齢者の人口比率が50%を超えると限界集落と呼ばれるが、東京23区内にも町丁目レベルの国勢調査で15の地域が特定されており、ここは64%と23区では最大の限界集落となっている。

でも東京で限界集落って??

実はここはボクがまだ小学生だった頃に6棟の巨大都営住宅が建設されて、当時は人々の生活の賑わいもあったらしい。

それが30年ほど前から入居資格が厳格化されて、1世帯の合計の所得が制限を超えると社会人になった子どもたちは同居することが出来ずに団地外に独立していった。そして今では老人になった親だけが残ったという訳だ。

近くにコンビニも無いから、自転車にも乗れない老人たちは隣町までバスを利用しないと買い物にも行けない。

建物の一階。以前は住民家族の生活を支える商店があったのだろう。

 

ボクが若い頃は、バンコクのカオサン通り、カトマンズのタメル地区と言った、一つの通りに安い食堂や両替所、足マッサージのお店や小さな旅行代理店などの日常生活に必要な全てが揃うバックパッカーの沈没場所がアジアを中心に点在していた。

沈没場所とは居心地良過ぎて旅を続けられなくなってしまう場所だ。

ボクもこの歳になれば「若者はこんなところで沈没してないでさっさと荒野を目指せ!」とでも言いたくなるが、一方で老人集団が東京23区内で生活インフラから切り離されてしまう状況は、何とも衝撃的だ。

各棟が取り囲むアスファルトの公園。鉄棒、滑り台そしてジャングルジムも。子供たちは勿論、誰も居ない痛い風景。

ボクには何も出来ないけど、ここでも善意のボランティアで住民を支える人達がいるのだろうか?

ターミナル3(国際線)

さて、夕方に授業を終えホームを後にして裏手の多摩川沿いをひたすら歩く。

そろそろ1年で一番日照時間が長い季節になってきた。

漁船と飛行機の先に空港が見える。多様性に満ちた東京の風景のひとつだ。

全長138KMの多摩川終点。ここから先はずーっと埋立地なんだろう。

 

歩いて空港に行ったのは勿論初めて。

エントランスでは紫陽花の森が出迎えてくれる。別世界だ。

いつもの「どこかへマイル旅」とは別ターミナル。エンタメ色豊かだ。

 

羽田日本橋から見下ろすチェックインカウンター。夜の10時でも人出が絶えない。

この時間のフライトで思い出すのはサンパウロ便。片道25時間のフライトで現役の頃は20回以上は利用した。

あの頃は我ながら頑張ったなぁ。。

展望デッキは24時間オープン。今度は奥さんと行きたい。飛行機に乗らなくても。

 

 

空港価格だけど味は確かと評判の寿司屋で1日を〆る。

ボクが東京で(回らない)寿司を食べることは稀だ。食べるとしたら旅先が多い。思い出の一つして。

 

そうか・・これも旅のひとつだった・・

随分長く感じた1日でした。

 

それではShanti Shanti! 素晴らしい1日を!

 

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