新幹線からの富士山と違って、北アルプスは滅多に見る機会がありません。
凛としている雪山を車窓から眺めて「アー北陸に来たな」と。
でも旅行中に雪を見たのは結局この区間だけでした。
芦原温泉も山代温泉も雪見風呂とはいかなかった。金沢も含めこの冬はどこもまだ2度しか積雪を経験していないそうです。
タクシーの運転手さんは「雪掻き作業がいらないので助かる」と喜び、宿の仲居さんは「雪が積もらないと畑の害虫が越冬していまう。」と心配顔で人それぞれです。
北陸だけではない。”どこかにマイル旅” で狙っている北海道も、楽しみにしている雪祭りや流氷見学も今年は暖冬でかなり怪しい。これから3月にかけて行くか悩みます。
一方で能登半島地震の影響については、今回の北陸旅行では限定的でした。
いや、正確に言えば地震の影響で宿泊先を変更したので、問題無く旅を終えることが出来たのです。
もともと ”豪華旅行” ということで和倉温泉の加賀屋を予約していました。でも残念ながらこれが地震の影響で被災して、現在まだ営業を再開出来ない状態です。一刻も早い復興を祈ります。
加賀屋被災のニュースは聞きていました。
被災当日、元旦ということもあってほぼ満室。従業員を含め約400人もの宿泊者を先ずは駐車場へ、そして10分くらい歩いて高台迄誘導しました。その後避難所迄全員をホテルの送迎バスで送り届け、ホテルからおにぎりなどの食料、布団などを供与、全ての宿泊者の安否確認まで当日中に完了したというから大したものです。
日頃からの防災訓練と高い安全意識が功奏したものと思われます。
そう言えばこれも元旦同日に羽田で起きたJALの炎上事故も、機内の乗客乗員370名余り全員生還したこととも被ります。海外でも奇跡と言われたJALの対応でした。
後にJAL のキャビンアテンダントOBがメディアにCAの職責を尋ねられ、「ひとつはお客様に機内空間で快適にお過ごし頂く為のサービス、もうひとつは緊急時にお客様を安全に避難誘導することです。今回のケースはJAL職員の判断と行動については言うまでもありませんが、お客様の冷静な対応が大変すばらしかったと思います。」というようなことを言われていました。
もう日本人として100点満点の受け答えです。
現役時代に出張の際に優先的にJALを選んでいたのは、自身がマイラーであったことと後は「万一墜落したら一番補償が大きそうだから」なんて不遜な理由だったけど、そもそもがやはり ”安心の翼” だったんだ。
JALはANAと並んで世界のトップ10キャリアの常連ですが、加賀屋も数ある日本の旅館ランキングでも毎回上位の常連です。
そして前述のJALのOBが言われた二つの職責というのは旅館についても全く同様だと感じます。
旅館の評価項目も多岐にわたると思いますが、災害大国の日本においては大事なポイントです。
加賀屋が再建されたら、今度こそ是非伺いたいと思いました(そのうち能登復興支援も出てくるだろうし)。
さて、震災を免れたと思い込んでいた金沢市内ですが、21世紀美術館に行くと相当数の展示物が休場となっていました。機材やガラスの一部が破損して現在まだ修復中の個所があるらしい。
天井が絵画の様に切り抜かれ、その枠の中で雲が形を変えていく模様を時を忘れて見上げ続けます。
ふと思った。「このガラスは無事だったんだなぁ」
そしたら不意に風がボクの顔を撫でて、一枚の木の葉が天井から落ちて来た。
もともとガラスなど無いんだ・・・なんと大胆な・・・
今回は蟹三昧旅行だったけど、昨年の金沢旅行で食べ損なったおでんはしっかりゲットしました。
間違いなく美食の街です。奥さんも満足してくれました。
それではShanti Shanti! 素晴らしい1日を!