久しぶりにシンガポール時代の日本人メンバー3人で集まった。
ドイツから一時帰国中のエリから飲みの誘いを頂く。有難いね~。
〆にデザートを頼むとびっくりされる。
あっそうかぁ。ボクが甘いもの好きになったのは定年退職後だから。
「その割には現役の時と全然体形お変わりありませんね~」
「そんな訳・・無い」
シンガポールでは彼女のことを ”喜ばせ組女子” などと失礼を言っていたが、相変わらずお上手だ。そして僕は昔も今も屈託なく乗せられる。
エリ
シンガポールの会社立ち上げ当初からボクをサポートしてくれた彼女は社交的で語学は堪能(ヒンドゥ語も話す)、そして僕のアシスタントとしても極めて優秀だった。
一方で恋多き女性でもあった。
シンガポールでも新しい彼が出来る度に必ず僕のところに連れて来て、後でボクの意見を聞く。
これが苦行だった。
何しろ毎回彼女は「私の結婚相手としてどうでしょう?」と聞いてくるのだ。そんなもの一度会ったくらいで無責任なコメントは出来ない。面食いなのは分かるが、何しろいつも ”見るからにダメ男” を見つけてくるのだ。皆揃ってエリに ”おんぶにだっこ” 状態の男たちだ。
3人の男と会ったけど、結局どの彼氏とも上手くいかなかったようだ。
さて、今回も飲みながら彼女が写真を見せてボクに意見を求めてくる。
「あれ?こういう容姿が好みだっけ?」
ご両親をジョージアに残してドイツに働きに来ているらしい。来年EUの市民権を取得予定だが、ゆくゆくはジョージアに戻りたいと。そこでの生活は国情も不安定だからエリとは結婚出来ないと。
写真だけで判断など出来ないけど、騙されている感じはしない。でもこの男が言っていることが本心なら彼はジョージアに戻る。そして多分エリはジョージアでは生活で出来ない。
ボク自身ジョージアには行ったことは無いが、いつロシアに攻め込まれるかもわからない旧ソ連邦の小国だ。NATOが支援してくれるとも思えない。
彼がエリを守る自信が無いのも理解出来る。
「来年彼が本当にEU市民権を得たらご両親の方をドイツにお連れ出来るといいね。」
エリは小さく頷いた。
結婚ってそんなにハードル高い?
昨今議論が活発な ”異次元の少子化対策”。
前記事でも書いたけどボクは少子化=国力の低下とは思わない。また、議論にある「少子化対策には先ず若者が不安なく結婚出来るような子育て支援や経済支援を示す必要がある」とも必ずしも思わない。
子供を作り育てることが結婚の絶対条件でもないし、そもそも経済力がないから結婚出来ないと考えるのも変な話だ。
価値観が近い二人であれば、単身生活より共同生活の方がコスパは良いはずだ(Wインカム前提)。
また、配偶者がいる方が仕事に対するモチベーションやコミットメントは大きくなり、収入も増えていく可能性も大きい。そこで初めて「じゃあ子供を作ろうか?」と二人で考え始めるのも大いにありだと思うがどうだろうか。
そしてなにより、子供の有無は別としても一般的には結婚生活を送る方が人は幸せな気がする。
それでも日本での婚姻数は年々減っている。
結婚適齢期(?)の人口自体が減っていることは理解出来るけど、所謂生涯未婚率(50歳まで)が男性は3人に一人、女性は5人に一人というのは驚きを禁じ得ない。
国の子育て支援や経済支援が不十分だからという理由は当てはまらないだろう。ボクたちの時代と比しても今の方が保育園や育休制度など遥かに充実しているし、給料だって日本はこの30年間上がっていないと言われる一方で生活者は長期デフレの恩恵を享受してきたのだ。
結婚しない人が増えているのは、「社会に希望が持てない、生活が苦しい」ではなくて、「人生の選択肢が増えてきた」というのが主な理由ではないのかなぁ。
今やスーパーやコンビニではお一人様用お惣菜も充実しているし、安価なサブスクで一人エンタメにも事欠かない。
家族の為にハードに働かなくても今は十分人生楽しい。何ならもう働かなくてFIREしちゃってもオレ一人なら・・・なんて。
個人的にはたとえ子供はいなくても一緒に暮らす人はいた方が人生楽しいと思うけど、結婚経験の無い人には比較も出来ないし、こう思えるにはある程度の時間も必要かもしれない。
まぁ余計なお世話ですな。
尚、男性に限れば生涯独身者はそうでない人より平均寿命が15年も短いというデータがある。
今後男性独身者がさらに増えていったら日本が世界に誇る平均寿命も下がっていくかもしれない。そうしたら若い世代の年金保険や社会保障費負担は逆に軽くなったりしないのかな?
分からんけど。
いずれにせよ、エリのように結婚する気満々の人達には良いご縁があってほしい。
それではShanti Shanti! 素晴らしい1日を!