流石に今の季節、平日は軽井沢も静か。
一部屋しかない人気の犬同伴個室ランチも1週間前にすんなり予約が入る。因みに翌日もフリーでふらっと寄ってみたら何と空いていたので連日のおかわり。
突然の訪問にお店の主人も「すみません。具材の変更がきかなくて同じようなメニューになってしまうんですが(汗)」
奥さんお気に入りレストランだと我が家あるあるパターン。
間違い探しクイズ(笑) たくさんあり過ぎてクイズにならない。
奥さんはいつも海鮮サラダランチ一択だけど、よく見ると日によって器とか変えているのね。
旅の日常・非日常
そもそも旅って非日常だから旅と感じる。
ボクの旅の原点はインド旅。 この国は何度行っても非日常の連続。
走行中の長距離列車の車両内で煮炊きをする大家族、朝の浜辺散歩中のボクのことを海の中にしゃがみ込んでじーっと見つめる大勢の地元民の列←これを見てしまってからはインドでは魚を食べられなくなってしまった(汗)
これ程のインパクトでなくても海外旅、またはどこかにマイル旅の様にいつもと違う時間を過ごせる旅は非日常的。
軽井沢滞在が非日常的でなくなったのは頻繁に来るからかな?
いや違う。実は来ている頻度は現役時代とそうは変わらない。
やはり仕事中心の生活の中で、「軽井沢はプレッシャーを逃れてつかの間の休息をとる場所」とメリハリがついていた時代は、”旅”を感じていたのだと思う。
今は・・東京にいても軽井沢にいても犬中心のゆったりした生活なので気分的なボーダーは曖昧だ。
食事はと言うと・・東京でも週末は昼・夜とも外食が基本なので、軽井沢のランチ、ディナは大きな楽しみではあるけれど、非日常感は薄い。
でも朝食はちょっと違う。
我が家は毎朝ボクの手作り野菜・果物ジュース1杯だけで済ましているので、軽井沢に来ても普段朝食は採らない。
奥さんは一人でお気に入りカフェに行って朝食を食べるんだけど、ボクはこれをやると体がびっくりして調子を崩してしまうのだ。たまに温泉旅館に泊まって翌朝美味しい朝食を楽しんでしまうと、午後の運転で思いっきり眠くなったりする。
今回は中日にボーロを部屋のケージに残して奥さんと近くのホテルに朝食をとりに行ってみた。
普段家では食べないヨーグルトを自己流にトッピングしてみたり・・
2年ぶりの朝シャンで、つかの間の非日常を楽しんでみる。
幻の100ヶ国目
ホテルに戻るとテレビでロシア侵攻1年の特集をしている。
改めて火力量に物を言わせた前世紀的な戦争の画像が、非常に分かり易く戦争の悲惨さを伝えてくる。これはテレビゲームの世界ではないのだ。
そして戦争が続き、ウクライナではこの非日常が日常になってしまっている。
以前記事にしたけど、僕の99ヶ国目の訪問国はロシア。もう10年以上前のことだ。
実はその後モスクワからキエフに入る予定だったのが、急遽キャンセルしてスペインに飛ぶことになった。本当はウクライナがボクの記念すべき100ヶ国目になっていたはずだったのだ。
そうすれば今のロシアのウクライナ侵攻にはさらに特別の思いがあったかもしれない。
カザン。
ロシアではモスクワから東へ約1000キロの都市に飛んだ。現地国営工場で自社製品の生産開始にかかる日程調整に行ったのだ。
午前中は工場見学、午後は先方の(なんちゃって)通訳を介して何とか最低限の合意を取り付けてホテルに戻った。
正直、もうディナは勘弁してもらいたい程消耗していたが、また次回の交渉もある。まだ腹の探り合いをしているパートナーとのディナは重要だ。ロシアが欧州であろうとアジアであろうと。
待ち合わせのレストランには工場長が一人でやってきた。片言のロシア語も話せないボクと(完全にボクの怠慢)、同じく英語を話さない彼とお互いゼスチャーだけの2時間のディナだ。
一応100万人都市カザンの1流(と思われる)レストランだけど英語のメニューも無い(笑)
観光客なんか来ないのかな?
ロシアと言ってもイスラム色が強いこの地でちょっと重めの食事を済ました後、この工場長の強力な推しで最後に食べたデザートが、思いの他とても美味しかった。
ボクのいいねゼスチャーで彼は初めて屈託ない笑みを見せた。
ホテルの部屋に戻ってググったら、蜂蜜をふんだんに使った地元名産の焼き菓子だった・・
モスクワに戻り、今度は社長との最終打ち合わせ。昨日の工場長はプランBまで用意しておいてくれたみたいだ。満足行く成果を得ることが出来て会議後のボクは上機嫌だった。
「それにしても暑いですね。ロシアって夏は毎年こんな感じ?」
「今年は本当に異常だよ。モスクワでさえ家にはエアコンがないのが普通だから大変だよ。暑さのあまり昼からウォッカを呑んで橋から川に飛び込む市民が絶えないよ。今週だけでもう300人以上は死んでいるよ。」
数秒考えて質問した。
「Serious? (マジ?)」
「Ya (ああ)」
今世界では侵攻されたウクライナの犠牲を中心に報道されているけど、ロシア兵もウクライナ以上の死者を出しているとの情報もある。
ロシアはやはり欧州でもアジアでもない。侵略国なのに自国民の命がとても軽いロシア。
今はシベリア他少数民族の人々が中心に戦場に送られているそうだが、戦いが長引くとカザンの人々にもこの権威国家権力からお声が掛かるのだろうか・・
平和な日本に感謝しつつ、平和ボケしない想像力を絶やさないようにしないと・・
それではShanti Shanti! 素晴らしい1日を!