鎌倉は山あり海ありでいつの季節も風光明媚。
新しいレストランを発掘するのも楽しい。
4月の夏日にカレーを食べてかく汗が気持ち良い。平和だ。
定年退職してからは特に思う。日本に生まれてきて本当に良かった。
スーダンにて
昨今のニュースで、首都ハルツームの名前を初めて耳にした人もいるだろう。
日本人に馴染みが薄いスーダン。知っている人がいるとすれば、多くは昭和の悪役レスラー、”黒い呪術師” アブドラ・ザ・ブッチャーの出生地としてではないだろうか。
彼の写真をキャプチャーしようとググったら、実はカナダ生まれのカナダ人でスーダン出身というのはギミックだと初めて知った。
悪役/呪術師 = スーダン人とは酷いレッテル張りだ。今の時代ならアウトかもしれない。
でも実際この様なアナーキーな国情が現実としてある。
そんな中、NPO/NGO活動等、志を持って人道支援にあたられている日本人の方々がこの地で生活していることも今回改めて知った人も多いだろう。ボクもそうだ。
今回の様な権力闘争の他にも部族間紛争や貧富格差拡大による治安悪化など、スーダンに限らずアフリカが抱える闇は大きい。
三十数年前にボクが住んでいた第二の故郷ケニヤも、今では地球の歩き方にさえ「街中を歩いてはいけない!」と書かれる始末。とても悲しい。
それにしても今回の在スーダン邦人救出作戦は素晴らしかった。日本パスポートを持つということは、日本政府の手厚い保護を得るということだ。ジブチにまで日本の外務副大臣が来て避難者を労うなんて正直驚いた。実はジブチって国もなかなか凄い所です(笑)。
これを機会に「あーおれ(私)も日本人に生まれて良かったぁ」と思う人が少しでも増えると良いな。
さて、前述ケニヤから出張でスーダンへ行った時のことだ。
東京本社から来たエンジニアのアテンド+顧客への謝り役として出向いたのだ。
地元の大手電力会社に納入した製品に不具合が頻発していた。それでも東京の本社側は簡単には保証を付けようとしない。一般的にアフリカではイミテーションパーツが横行しており、メインテナンスに純正部品を使わない場合は保証適用外となるのが基本だからだ。。
だからお客様は怒る。
この時は首都ハルツームから車で3時間ほどの白ナイル上流(ナイル川の源流)のサイトにある発電所を訪問。行きの車中では同行したお客様との間に気まずい時間が流れる。
道中に休憩で立ち寄ったキヨスクでコーラを飲むことに。キヨスクと言っても地べたに建つ簡易小屋だ。
出されたコーラ瓶の口やコップが汚れている。うーん、ストローくらい無いのかなぁ。。
日本から来たエンジニアは当然口を付けない。不機嫌なお客様が黙ってボクをみつめてくる(苦笑)。試されているようだ。
この時ボクはまだ20代。「えいやっ」とコップにコーラを注いで一気飲みした。実際喉も乾いていたし。
それを見届けたお客様は一瞬驚いた表情を浮かべた後ニコッと笑い、ゆっくりとポケットからティッシュを取り出し入念に自分のコーラ瓶の口とコップを拭いてさらにそのコップに注いだコーラをぐるぐる回した上で一度地面に捨ててから再度コーラを注いでやっと飲みだしたのだ。
「!!」
でも大丈夫。ボクのお腹は人並み外れて強い。お客様から笑いを取る方が大事だ。
この後の車中は打って変わり和やかな雰囲気となり、サイトでの修理・打ち合わせも無事終えた。そして東京本社とは後日辛抱強く交渉し、当該修理を無償扱いとする旨の特認を引き出した。件の電力会社から追加発注を取り付けられたのだ。コーラのお陰だ。
ハルツームに戻るともう夜も遅い。ホテルの部屋でシャワーを使い、寝る前にミニバーのミネラルウォーターを飲む。ここではビールより値段が高い水。アフリカあるあるです。
しかし翌日早朝に経験したこともない猛烈な腹痛が。
嫌な予感がしたんだよなぁ・・これはコーラが原因ではない。ミネラルウォーターのボトルの栓が緩んでたんだ。ひと仕事終えてボクの気持ちも緩んでいたんだろう。。
しかし、ビールより高い料金設定なのに水道水と入れ替えるとは!大手ホテルグループのヒ〇トンですよ!やはりスーダン恐るべし。
水道水さえ安全な日本がやはり一番だ。
悩み深いこの頃だけど
定年退職して3年間弱、嫌なことは避けて大したストレスも抱えず生きてきた。
しかしこの一か月近くはプライベートで思う様にならないもどかしい日々を過ごしている。現役時と比べて逆境に対する免疫も落ちている気がする。
現役時代のイチローが言っていた。
「年間安打数を努力目標として挙げることはあっても、首位打者を目標にすることない。相手がいる以上、自分でコントロール出来ないから。」
自分でコントロール出来ることだけに集中する。その通りなんだろうけど、人生では自己努力でコントロール出来なくても何とかしたいこともあるはずだ。
気分が優れない中、先日テレビで「脳老化対策」として「”でも”の法則」が紹介されていた。
ネガティブな物言いは脳に悪影響を与える。
疲れた、嫌だなぁ、運が悪い、あの頃は良かった、無理、面倒くさい、忙しい etcetc..
思わずこれらの言葉が出てしまった時に、間髪入れずに “でも” と続けるのだ。
あー疲れた でも・・頑張った、少しは前に進めた、良い疲れだ etc
そう、強制的に “でも” を後付けすることで、最後はポジティブな言葉で終わることになり、脳は最後の言葉を記憶する。
これが “でも” の法則だ。
この数日間、この法則を積極的に使っている。ちょっとしょっぱい感情の中でも少し前向きな気持ちになれるから不思議なものだ。
“でも” の後をいちいち考えるのも億劫なので、ボクは毎回同じ言葉を入れている。
あー〇〇だなぁ・・ でも日本に生まれてきてボクはラッキーだ(こんな不満など些細なことだ)。
息子には頭が痛いなぁ・・でもボーロを我が家に連れて来てくれてありがとう!
それではShanti Shanti! 素晴らしい1日を!