月並みだけど欧州ではパリはリスボンと並んでボクのお気に入りの街でした。
今は知らないけど30年ほど前のフランスは、フランス語で話さないとキヨスクでもタバコひとつ売ってくれなかったし、真冬の裏通りにずらっと並ぶ綺麗なオネエさん達も寒い中、毛皮のハーフコートをまとい皆凛として立っていました。
ボク的には会社ではアメリカ人とドイツ人達ってのは自国を世界の中心だと思っているといつもうんざりしていましたが、今思えばフランス人もこっちが気後れするくらいプライドが高い国民です。
でも決して居心地は悪くない。食や芸術が強調されがちだけど、人それぞれの強い自己主張が普通に受け入れられる大らかさが世界中の芸術家の卵を魅了したのかもしれません。
睡蓮を食す
杉浦非水もフランスに長期滞在して随分入れ込んだらしい。これなんか日本版アールデコと思うくらいマッシブな作品だ。
友達が「川越自宅の蔵にあった非水の作品が出展されてるよ」と教えてくれたので行ってみたのだ。
リゾート感に満ちた館内。
ポーラ美術館で是非寄ってみたかったカフェ。
この美術館は、モネの作品が充実していることでも有名だ。
出て来たスイーツにシャンパンをかけて貰えばその名の通り「睡蓮」の出来上がりだ。
2時間かけて鑑賞した作品たちをネットで振り返る。単なる自己満足だけど何ともリゾートっぽい過ごし方だ。
さて、奥さん(とボーロ)に車で迎えに来て貰うまで、併設されている森の散歩道を楽しむ。
奥さんのお陰で駐車場代500円が浮いた(笑)。
少しドライブを楽しんでいつものイタリアンレストランへ。
スープもサラダも何となく睡蓮モードだ・・
ゆっくり時間を使うということ
昔から奥さんとは数えきれない程旅行を楽しんできた。
若いうちは国内であればどんなところでも週末の一泊二日旅が基本だった。
そんなにお金も無かったし休暇もなかなか取れなかったからだ。でも好奇心も体力も十分にあったから楽しい思い出しかない。
中堅になってくると今度は金曜日に休んでの一泊二日旅も多く出来るようになった。
仕事も自分で管理出来るようになり休暇取得が容易になったこと、体力が少しずつ落ちて来て日曜日は家でゆっくり(+翌週の仕事の準備を)したかったのだ。また、金曜日だと宿泊費も抑えられるメリットもあった。何しろ月に2回は旅行に出かけていたので、そんなにいつも贅沢にお金は使えなかったのだ。海外旅行だって毎年3回は行っていたし。
歳を重ねる毎にアクティブに旅行を楽しむというより、ゆっくりリゾートを楽しむというスタイルに変わって来た。
でも箱根は近場リゾートだから一泊で十分リラックス出来ると思っていたし、実際そうだった。
それが今回二泊してみて、これはこれで贅沢に時間を使えると思った。
ボクたちの旅行は大体子犬が漏れ無く付いてくるので、効率的なスケジュールは組めないのだ。
例えばホテル滞在にしても一人が温泉大浴場に行っている間、もう一人は部屋でボーロの相手をしないといけない。
今回は二泊したから「美術館にでも行ってこようか」という気分になれたのかもしれない。
そうだ。今は現役と比べ物にならないくらい時間に余裕がある。
暇と退屈が異なるように、暇と “ゆっくりした時間” も全く別物だ。
もっと積極的に “ゆっくりした時間” を使うことも無理なく出来るはずだ。
えーっパリでのオリンピックって100年振りだったのね。
でもボク達にも100年くらいの時間は使える人生があるのだ(多分)。
さて、奥さんとボーロが部屋でシエスタをとっている間にすすき野原まで歩いてみる。片道30分。
秋のイメージが強いけど年中こんな感じなんだな。
折角一人だからてっぺんまで登ってみるか。片道20分。
うーん、こんな感じの普通の眺望ね。でも登ってみて初めて分かる事。
人生なんてこの繰り返しなんだ。
それではShanti Shanti! 素晴らしい1日を!